障害者グループホームに「期間限定」の新類型に賛否両論

 厚生労働省は11月5日、障害者総合支援法の見直しを議論している社会保障審議会障害者部会に、地域での一人暮らしの準備のために「期間限定」で利用するグループホームの新しい類型を創設することや、新規の開設にあたっては市町村の関与を強化することなどを提案した。

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施設・病院から入居し、一人暮らしの準備

 この日提案されたのは、①新しい類型の創設、②支援の質の確保、③地域のニーズを踏まえた整備の3点。事業所が乱立し、地域によってはニーズとのミスマッチがあると指摘されており、質量の両面から適正化に向けて舵を切る内容だ。

 グループホームの新しい類型を提案した理由は、利用者へのアンケートで、将来、グループホームを出て「一人暮らししたい」「パートナーと暮らしたい」「家族と食らしたい」と回答した人がそれぞれ3〜4割程度いたこと。現状では、本人の希望に沿った支援が行われていないという認識からだ。

 漫然とした支援がおこなわれないよう、病院や施設からの退院・退所時の訓練の利用と使用目的を明確化する。従来からの日常生活の支援に加えて、地域生活に向けた支援を行う専門職(社会福祉士・精神保健福祉士等)を配置する。利用期間については、「一定期間」し、具体的な数字は示さなかった。東京都が「通過型」として類似の仕組みを独自に設けているが、利用期間は概ね3年。年齢や障害の重さで利用を決めるのではなく、あくまで「「本人の希望」、事業者にも一律に適用するのではなく、選択できる仕組みとする。ただ、報酬は一人暮らしにつながった実績で評価するとしており、利用者都合での「足切り」が懸念される内容だ。

第121回社会保障審議会障害者部会「障害者の居住支援について(共同生活援助)」より


  

「利用は本人の希望で」でも、委員からは賛否両論

 委員からの意見賛否両論。身体障害、精神障害の当事者団体からは、専門家の支援だけでなく、「ピアサポート」も位置付けるべきと前向きな意見があったが、「出たいというのは漠然とした希望で、具体的ではないのではないか」「本人の希望が途中で変わったり、やっぱり無理だったという場合はどうなる」「グループホームの中にいる人にいる人に出す支援は難しい。全市町村への整備を目指している地域生活支援拠点と連携してはどうか」「あちこちに似たようなサービスがあり、全体像がわからない」などの意見があった。
  グループホームの入居者について、重度化・高齢化が進んでいることから、対応を拡充するという提案については、現行の「訓練給付」の位置付けから、「介護給付」に移行して対応すべきという意見もあった。

 

グループホーム数は7年で1.5倍、事業者指定は都道府県から市町村に?

 グループホームは2014年には、6637カ所だったが、2020年には10164カ所。営利法人の参入が多く、7年間で1.5倍と急増している。数は増えたが、支援力が不十分なところもあり、自治体関係者からは、「強度行動障害者や医療的ケアが必要な重度者向けが不足している」「空きがあるが、障害特性にマッチしないために、他市町村の事業所を利用」など計画的な整備が課題とする意見がある。
 質の評価については、自己評価、利用者評価のほか、第3者による外部評価(運営推進会議による評価を含む)を推進する方向がすでに示されている。厚労省は、市町村が計画的に整備できるよう事業所指定のあり方を見直すことも論点としてあげ、概ね了承された。

地域生活支援拠点の整備は市町村の努力義務に

 障害者福祉部会では、障害者総合支援法の3年ごとの見直しに向け、施策全般の課題の洗い出しを行っている。必要な事項は法改正するが、次期については、現在検討中で、次回、11月29日に明らかにすると厚労省が説明した。          提案の詳細は、第121回社会保障審議会障害者部会「障害者の居住支援について(共同生活援助)」を参照。

 グループホームは、終いの住処になるのかな?

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