コロナ禍でコンパクトになった福祉機器の祭典「H.C.R2021」。まずまずの賑わいを見せ終了。最新の介護ロボットも

11月10日から12日まで3日間、東京ビッグサイト青海(あおみ)展示棟で「国際福祉機器店(H.C.R.2021)」が開かれました。昨年はコロナ禍で中止。今年は規模を縮小して行われました。連日、多くの来場者で賑わい、3日間の来場者は4万人と予定していたマックス。まだマスク姿ですが、少しずつ「日常」が戻りつつあることを感じました。

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「参考商品」多く、まだ様子見?

 東京ビッグサイトといっても、臨海線で一駅離れて「東京テレポート駅」前の青海棟は、コンパクトで倉庫を2つつなげたような場所です。例年内外から500社以上の出展がありますが、今回は約170社。申し込んだのに出展できなかった企業も多いそうです。毎回、華やかさを添えていた自動車メーカーの出展も今回は、マツダ一社のみ。介護保険のレンタル品や介護事業者向けの製品が中心で、障害のある当事者の方が求めているような製品はほとんどありませんでした。会場では、白杖をもった視覚障害者のグループも見かけましたが、最新技術に触れる機会はあったでしょうか? 福祉機器業界きってのビッグイベントとあって、新製品をぶつけてくるメーカーが多かったのですが、「今年は『参考商品』どまりが多かった。アフターコロナに向けてまだ恐る恐るという感じではないでしょうか」と知り合いの業界紙記者は話していました。

自動車メーカーはマツダのみ。Self -empowerment Drivng Vihicle がコンセプト。ユーノスロードスター大好きです

マラソンやボーリングも、夢を叶えるパワースーツ

しかし、やはり、ありました。近未来を思わせる夢のある製品が。「keeogo」(キーオーゴー)は、下半身に装着する歩行アシスト機器。装着した姿はサイボーグ。これをつけてボーリングを楽しむ姿や、リハビリに使ったことで、回復し、非装着で子供とバトミンできるようになった方の映像が流れていました。フルマラソンに参加した強者もいるそうです。「keeogo」は、keep on going(前に進み続ける)の略。カナダで開発され、製造は台湾。この7月から日本での販売を始めたばかりだそうです。

 股関節と膝にセンサーがあり、コンピュータがセンサーからの情報をもとに、膝の高性能モーターを制御する仕組み。洋服の上からでもさっさかと短時間で装着でき、体験希望者が列をつくっていました。コンピューターが健常者の動きを覚えていて、モーターを動かすので、脳梗塞や頸椎損傷でマヒがの残る方が使うと、自然と昔の感覚を取り戻すことができる。誰に対しても再現性の高いリハができ、効果も高いということで、医療機器に認定されている国もあるそうです。室内ではなく、外出できるのも強み。会場でお試しの手伝いをしていた方々は、その可能性に惹かれ、販売のサポートをしている理学療法士の方々だそうです。日本では、「(やりたい)こと体験」を増やしていく福祉機器として普及させたいとkeeogo japan社のカントリーマネジャー久慈正一さん。膝折れしないよう支えてくれますが、曲げようとするとついてくる、ジャンプの時は強く押し上げてくれる。そんな感じです。着けた時の第一印象は「重い」。ですが、使っていると重さは感じません。

 ちょっと残念なのは、お値段で1台600万円。月額リースは20万円。原材料の不足による高騰があり、今は悪材料が多いそうですが、価格も安いほうへと前に進み続けてほしい! 

女性にやさしい洋服型、気配レスの介護ロボット新タイプ

 もう一つ注目したのが、今春発売のパワーアシストスーツ「J-pas fleairy(フレアリー)」。上半身に装着して介護する人の腰の負担を減らすアシストスーツは、がっちりとした金属製のフレームタイプが有名ですが、こちらは、布製。女性でも扱いやすく、介護を受けるお年寄りに違和感がないようにとデザインされたもの。ロボットという気配のまるでない、介護ロボット。膝と背負ったモーターがテープでつながっていて、腰を曲げてかがんだり、膝を曲げると、伸び縮みして、腰だけに負担がかからないように力を分散しています。個人的な感想ですが、背中にヨーヨーの紐がはいっているみたいな感じです。メーカーのジェイテクトは、トヨタグループの大手部品メーカー。フレアリーには、世界シエアナンバーワンの電動パワステの技術が使われています。今をときめく、介護ロボットの一つとあって、関心も高いようで、試用希望者がひきもきらない状態でした。

 感心するのは、展示会で見かけるたびに改良されている点です。背中のバッテリーの熱が伝わりにくいよう形状や布の材質を変更。柔らかなベージュ色に加え、きりとした紺色も追加。パワーアシストの匙加減も微妙に変更を加えているそうです。「『たゆまぬ改善』がグループのモットーですから」と開発担当者。さすが、トヨタグループです。

見て、触れて、体験できる。リアルの力を再認識

 直接開発を担当した方の話を聞くことができたり、機能を体験できるのが展示会の最大の魅力ですね。ネットでいくらでも説明動画をみることができるようになっていますが、百聞は一見に如かず。
 毎度感じるのですが、認知症や発達障害など身体の障害だけではない障害に着目した製品をぜひ、もっと開発してください。来年こそはフルスペックの開催を期待しています。

 個人的にとても勉強になったのが、住宅防火対策推進協議会のブース。写真は家庭用の消化器です。家庭用は「赤」でなくてはいけないというきまりがないので、バリエーションがいろいろ。ピンを抜いて、ハンドルを握るだけなので操作は簡単。強化液と粉末の2タイプがありますが、後で掃除することを考えると強化液がおすすめだそうです。同じブースにあったガス警報機工業会のイメージキャラクターは、パンダで名前はほあんほあん=「保安保安」。って親父ギャクじゃん。

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この記事を書いた人

介護・福祉の専門紙の記者をしていた時は、「辛口」とよく言われました。ウソとお世辞が言えないタチです。

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