【65歳の壁問題③】障害福祉から介護保険で利用料は大幅アップ。救済策が限定的

 障害者福祉サービスと介護保険の大きな違いの一つに利用料があります。介護保険は、一般は1割、高所得者は2割の定率負担。一方、障害者福祉サービスは、紆余曲折ありましたが現在は、応能負担。所得に応じて負担する仕組みです。

本人が市町村非課税の人は無料。同居の家族がいても、本人の収入しかみないので93%の人が該当、無料で利用できています。ところが、65歳を過ぎて介護保険に移行すると1割負担になり、負担が重くなります。負担軽減の仕組みができたとおもっていたのですが、改めて調べてみるとかなり限定的な内容でした。

 条件は「介護保険に相当するサービスを65歳と直前に利用していて、介護保険に移行後も利用する場合」。介護保険に相当するサービスとは、障害福祉サービスの「介護給付」にあたります。

 たとえば、「生活介護」を使っている人は、60歳以前から利用していて、65歳になって介護保険の「通所介護」を使う場合がこれにあたります。

 同じ日中活動で利用者も多い「就労継続支援B型」、いわゆる作業所の利用者は対象外。制度上、「介護給付」ではなくて、「訓練給付」になるからです。

  障害支援区分2以上、低所得者であることも条件です。さらに、65歳に達するまで介護保険をつかっていないことも条件なので、65歳になる前に、脳梗塞を煩い後遺症が残り、介護保険を使うようになっているような人も対象になりません。理屈の上では、今のサービスを使い続ける人は無料のまま、ということなのでしょうが、なかなか意地の悪い仕組みだと思います。

    資料は、社会保障審議会障害部会(2021年8月30日)のものです。

 介護保険の1割負担がゼロになる条件は、「相当する障害福祉サービス(居宅介護、生活介護等)を65歳直前から5年以上利用し、介護保険サービス(訪問介護、通所介護等)を利用する場合」で、「障害支援区分2以上」「低所得者又は生活保護受給者」「65歳までに介護保険法による保険給付を受けていないこと」。

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